国際フルミントデー

国際フルミントデー


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1日は国際フルミントデーです。
フルミントの魅力や多様性を多くの人に知ってほしいという思いから201021日にスタートしたワイン記念日です。

フルミントは、ハンガリー全土で造られている代表的な白ブドウで、特にトカイ山脈のワイン産地で多く造られ(全体の65%)、トカイ・アスー(貴腐ワイン)の主要品種として知られています。
トカイ以外では、ハンガリー西部のショムローやバラトン湖北岸でも栽培されています。
 

【起源】
名前の由来については、フルミントで造られたワインが小麦色(金色)であるため、フランス語の小麦を表す『froment』からきていると言われています。
フルミントの品種の起源は、12世紀ハンガリー国王イシュトヴァーン2世の時代にイタリアの宣教師から持ち込まれた説や13世紀にベーラ4世の時代に持ち込まれた説、そもそもこの地域に固有の品種であった説等、諸説あります。

トカイ地方のエルデベニエ村の文書には1611 年にはこの品種について言及されていることから、この時代にはすでにトカイ地方で栽培されていたと言われています。

最近の検査によれば、フルミントとイタリア産品種の間には遺伝子的関係がなく、ハンガリー国内の白ブドウ品種に数回の色素と細胞の変異が起こった結果、現在のフルミントに至ったようです。
また、フルミントは、別のハンガリー固有品種である、「ハールシュレヴェリュー」の親であるそうです。


【品種の特徴】
フルミントは天候や病気の影響を比較的受けにくく、夏の暑さ、乾燥、冬の霜にも耐えることができる、熟成の遅い晩生品種です。通常のワイン用ブドウは9月~10月に収穫されますが、フルミントは10月~11月頃に収穫されます。 

【味わい】
熟した洋ナシに例えられる新鮮なフルーツの香りがあり、強い酸味とアルコール度数により、時には個性的なワインが生まれます。濃密で上品な甘さに蜂蜜のアロマ、柑橘系の酸味が溶け合い熟成のポテンシャルのある甘口ワインや華やかな香りと心地よい酸味、ナッツやミネラルのニュアンスが調和した辛口のワインとなります。
 

フルミントは、世界三大貴腐ワインのトカイ・アスー、フルーティで軽やかな甘口、単独で楽しめる上質な辛口など、多様なワインを造ることができる稀有な品種と言えます。
同じブドウでも栽培方法や畑ごとのテロワール、醸造技術によって味わいだけでなく、スタイルも多様に生まれ変わります。
「これが同じ品種なの?」と新しい発見を楽しむことができるフルミントの魅力をぜひ存分に味わってみてください。

 

フルミントのワイン

 【甘口】テロワール・トカイ・サモロドニ・スウィート

ブドウ :フルミント
ワイン :甘口 ミディアムボディ
残糖度 :137g/ℓ  酸度 : 7/ℓ
樽熟成によるオークの香りとエレガントな貴腐菌の香りが複雑に絡み合います。
トロピカルフルーツ、バニラ、キャラメルのクリーミーな質感と甘さ。これらをフレッシュな柑橘の酸味がいきいきと引き立てます。甘さ、酸味、アルコールのバランスが絶妙で、非常に飲みやすく、食前酒としてはもちろん食事とのペアリングが楽しめる甘口白ワインです。 


【貴腐】トカイ・アスー・5プットニョシュST 2019

ブドウ :フルミント、ハールシュレヴェリュー
味わい :極甘口 フルボディ
残糖度 :162.8g/ℓ  酸度 :7.7/ℓ
輝く琥珀色。アプリコットやオレンジなど柑橘系の蜂蜜漬けのコクと落ち着いた酸味。官能的で濃密な甘味と貴腐ブドウ特有の複雑味が楽しめます。アルコール、酸味、甘味のバランスのよい貴腐ワインです。
 

【辛口】トカイ・サモロドニ・ドライ 

ブドウ :フルミント、ハールシュレヴェリュー
味わい :辛口 ミディアムボディ
残糖度 :1.6g/ℓ  酸度 :6.7/ℓ
遅摘みの完熟ブドウ、貴腐ブドウも一部混ぜてフロール(産膜酵母)下でじっくり熟成させています。ドライアプリコット、洋梨やタバコ、ナッツの香り。ドライアプリコット、リンゴ、洋梨とオレンジピール、胡桃、ヘーゼルナッツの苦味がこのワインを複雑にしています。ゆっくりと産膜酵母下で酸化し、やや辛口に仕上げたサモロドニ・ドライは酸化によるシェリーフィノのような味わいが感じられます。

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