エグリ・ビィカベールのボトルのお話し

エグリ・ビィカベールはソムリエ協会教本にも掲載されており、ハンガリーの赤ワインの中で最も知られているエゲル地方のブレンド赤ワインだと言えるでしょう。

まず、エゲルって?という疑問もあるかもしれませんので少しご紹介させて頂きます。

エゲル地方はハンガリーにある22のワイン産地の中の一つ、ブダペストから車で2時間、山の麓にあります。
土壌は天然の温泉に恵まれた石灰質で冷涼な気候になります。
ハンガリーのワイン産地の中でも珍しく赤ワイン、白ワイン両方の醸造に力を入れています。赤ワインはエグリ・ビィカベール(エゲルの牡牛の血)、白ワインはエグリ・チッラグ(エゲルの星)。

エゲルのワイナリーは競争もするけど、お互い協力しあいエゲルのワインを世界に広げるためにアイディアを出し合っています。
どこから見ても一目でエグリ・ビィカベールとわかるようにと、新しいボトルデザインの開発が発案されました。

何年かの検討、開発を重ね、ようやく2019年夏に “1552Eger”のボトルがエゲルワイン産地で発表されました。
このいかり肩のボトルはエゲル地方の象徴的な赤ワイン、エグリ・ビィカベールのためだけに作られました。

1930年代にエゲル地方で使われていたけれど、長く忘れ去られていたボトルからインスピレーションを受けて製作されたというボトルには “1552Eger”と刻印されています。

この ”1552”はエゲル地方にとって歴史的に重要な意味のある年です。
カラ・アフメド・パシャが率いるオスマン帝国軍がハンガリー王国の北部にあるエゲル城を包囲しましたが、イシュトヴァーン・ドボが率いる軍隊がオスマントルコ軍を撃退し、城を防御した年です。戦力や軍備に大きな差があったにもかかわらず、勝利した包囲戦は、ハンガリーの愛国心、強い英雄主義の象徴となっています。

エゲル・ワイン・ワークショップのメンバーはボトルについて話しています。

「ハンガリーのワイン産地の中で自分たちのワインが他とは明らかに異なる特徴を持ったワインを醸造していると自信を持っているところはあまりないでしょう。
エゲルのエグリ・ビィカベールがそんな特徴的なワインなのかどうか、実は私たちも今まであまり確信していなかったのです。
エゲルの各ワイナリーがエグリ・ビィカベールを醸造するようになって、ようやく我々のワインは他にワイン産地のワインとは一線を画す特徴的なワインだと自信が持てるようになりました。
自己認識の新しい時代の幕開けだと感じたのです。だからこそ、飲めば明らかにエグリ・ビィカベールだとわかってもらえますが、一目でこのワインがエグリ・ビィカベールだとわかって欲しいと思うに至ったわけです。」

ガール・ティボルJr.は「このボトルが我々のエグリ・ビィカベールの次のステップへの第一歩になるんです。」とまとめました。 

このワインボトルには3段階あるエゲルDHC(エゲル独自のワイン格付け基準)クラッシックス、スーペリオール、グランド・スーペリオールのうち、上位のスーペリオールとグランド・スーペリオールは審査無に瓶詰めできます。クラッシックスについては品質審査を実施したのち、エグリ・ビィカベール特製ボトルに瓶詰めすることができます。