エグリ・チッラグ「エゲルの星」
エゲル地方は長くブレンド赤ワイン「エグリ・ビィカベール」で有名でしたが、エゲル地方の白ワインをもっと人々に知ってほしいとエゲルのワイナリーが集まって2010年に基準を作り、醸造し始めたのが 「エグリ・チッラグ」です。
「エグリ・チッラグ」の語源
ハンガリー語で「エゲルの星」を意味します。「エゲルの星」が使われたのは、エゲル出身のハンガリーの作家Géza Gárdonyi(ゲーザ・ガールドニ)の小説で、トルコ侵略下の16~17世紀頃のエゲル地方を舞台にしたラブストーリー「エゲルの星」が最初でしょう。この小説は映画化され、特に中高年層に人気があり、2005年には最も人気のある小説に選ばれました。
トルコに占領されていた時代、エゲル地方の北の町境を警備する夜間警備員の小屋が灯した灯りが、ハンガリー大平原からビュック山北に向かって北に導く道しるべのようになっていました。
警備員達が用意した松明(たいまつ)のおかげで、旅人たちは物騒な時代にエゲルの町で安全に帰路を見つけることができました。この灯りが「エゲルの星」としてハンガリー中に広まったそうです。
ハンガリーの人々にとって「エゲルの星」というのは特別な思いのある言葉です。
この名前をエゲル地方のブレンド白ワインのブランド名に選んだことから、エゲルの醸造家たちの「自分たちの造るワインを楽しみ、心の拠り所を見つけてほしい」という熱い思いが伝わってきます。
エゲルワイン法
クラッシクッス、スーペリオール、グランド・スーペリオールの3段階に格付けされます。エグリ・チッラグについては、それぞれの格付けを使用するためには以下の要件を満たす必要があります。
■エゲルワインの格付け
ベースはカルパチア盆地原産のブドウを使用するよう決められていますが、ワインの醸造において明確な取り決めがあるわけではなく自由度があります。もちろんある程度統一されたスタイルになることを目指しています。
基準の中で各ワイナリーはフルーティーでフローラルなアロマで、ただしアロマティックになり過ぎないように、一つのブドウ品種の特徴が強くなり過ぎないように、腕を振るいます。
ブドウとテロワールがそれぞれのワインの肝となります。
- クラッシックス:辛口、爽やかできれのよいフルーティーなワイン。
- スーペリオール/グランド・スーペリオール:収量を減らし凝縮感のある樽熟成、瓶内熟成させた複雑なワイン。フルーティーさはクラッシックスと比較すると控えめですが、ミネラル感が強くなり、樽熟成からくるバニラやスパイスのニュアンスがあります。グランド・スーペリオールは更に凝縮感がある余韻の長い白ワイン。
エゲル・ワイン祭り「星のオープニング」
2010年には8ワイナリーでしかエグリ・チッラグは造られませんでしたが、翌年には3倍の数のワイナリーがそれぞれのエグリ・チッラグを造り、2012年にはグランド・スーペリオールができました。
現在では毎年3月15日にエゲルで「星のオープニング」イベントが開かれています。
ワイナリーが集まり、自慢のエグリ・チッラグを発表します。
春の訪れを感じる頃にフレッシュでフルーティーなワインがよく冷えたグラスに入れられてテーブルに並びます。
この日以降にエゲルを訪ねれば、新酒のエグリ・チッラグを楽しむことができます。
最近では「エゲルの星」のフレッシュさが人気で売り切れてしまうワイナリーもあるようです。
エグリ・チッラグの楽しみ方
エグリ・チッラグは食前酒としても最適で、ピクニックに持っていってクーラーボックスの中に入れておきよく冷えたワインを楽しむのもよいでしょう。
軽めの前菜や魚料理、ベジタリアンとも合います。スーペリオールやグランド・スーペリオールは骨格がしっかりしたワインになるので、魚の燻製や鶏肉料理に合わせてもよいでしょう。
当社取り扱いエグリ・チッラグ
- ティティ・エグリ・チッラグ(クラッシックス)
- ナプボル・エグリ・チッラグ(クラッシックス)
- ボルドグシャーゴシュ・エグリ・チッラグ・グランド・スーペリオール(グランド・スーペリオール)