ろぜ爛漫 ~ロゼ祭り~

昔々、ワインは季節感のある飲み物でした。春のお花見シーズンが近づくと、桜色ということで店頭に並んでいましたが、通常、ワインショップでロゼを見かけることが少なく、数も限られていました。

ところが、今年は異変が!地方のスーパーでもロゼワインの取扱がぐっと増えた印象があります。
なかなか日本でのロゼワイン浸透が進まない中、大手ワインショップでは数年前からロゼワインコーナーを設けて様々な色合いのロゼワインを並べ、ロゼワインのフリーフローをしていましたね。ロゼワインの特集を組んだチラシや雑誌、目に触れる機会が増えた結果なのではないでしょうか?

毎年、今年こそはロゼ!と思っていますが日本でロゼを楽しむ方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?日本のロゼワイン消費は全ワイン消費量の3%だそうです。2018年の日本の一人当たりのワイン消費量が年間4本なので、大多数の方がロゼワインを楽しまれていないのではないかと想像します。

 

1.他国でのロゼワインは?

一方、世界では年間を通して楽しまれるワインになっています。2002年は18.3百万ヘクトリットルだった世界のロゼワイン消費は2018年に25.6百万ヘクトリットルと40%増、ロゼワインの消費量はスティルワイン総消費量の11.2%を占めています。
ロゼワインの消費を牽引しているのはフランスとアメリカ。フランスは全世界のロゼ消費の34%、アメリカは20%です。
ロゼワインの生産トップ3はフランス、アメリカ、スペインです。ここ数年で、チリ、アルゼンチン、南アフリカといった新世界やオーストリア、ハンガリー、スイス、ルーマニアのロゼワインの生産量は大幅に増加しました。
また、ロゼワインの輸出入も当然のことながら増えています。輸入量が10.9百万ヘクトリットル、輸出量が10.6ヘクトリットル。ロゼワインの輸入上位3カ国はフランス、ドイツ、アメリカ。輸出量は上位からスペイン、フランス、イタリアとなっていますが、イタリアについては輸出額が増えており、イタリアがロゼワインの高級路線を目指しているようです。

 

2.ロゼ・ブーム

フランスでは苺・ラズベリーなどの赤いフルーツを入れてみたり、数年前にはピンクグレープフルーツを入れてグレープフルーツジュース割りにしたロゼ・パンプルムースが大人気でした。
ブランジェリーナ(アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット)が所有するブドウ畑でできたブドウを使ったジョリー ピット アンド ペラン社のミラヴァル ロゼ AOCコート ド プロヴァンスなどは話題性だけでなく品質も評価されているロゼワインですが、ロゼ・ブームに貢献したのではないでしょうか?

アメリカではロゼワインのテーマパークROSÉ MANSIONが2018年にNYに設立され、アメリカのロゼ人気の象徴と言えます。ワインを片手にインスタ映えする空間で遊び、ロゼワインをよく知って楽しんでもらいたい、という思いの詰まった場所のようです。更に、アメリカ国内最大のロゼワインリストを誇っています。残念ながら今は営業を停止しているようですが、再開するが楽しみですね。

 

3.ハンガリーのロゼ

なんとハンガリーのワイン売場はロゼで溢れています。ロゼ専用棚が設置され、30%以上がロゼ売場という勢いで、ハンガリー人は年中ロゼを楽しんでいるようです。春になると、フルッチというワイン(白・赤・ロゼ)をソーダで割るという飲み方が人気です。バーではフルッチのメニューに趣向を凝らしています。ネーミングも「バクテリア」「ケチ」など興味をそそるものがあります。夏場は特にロゼをフルッチにして楽しむそうです。
もともとハンガリーでは、数多くの飲みやすいフルーティーなロゼが醸造されてきました。最近では洗練されたロゼが造られるようになり、年間を通じて楽しむことができ、1~2年熟成させることのできるものも造られています。

 

4.おススメのハンガリーロゼワイン「キング・オブ・ロゼ」

ドゥージ・ケークフランコシュ・ロゼ2019
ハンガリーのキング・オブ・ロゼ、プリンス・オブ・ロゼと呼ばれているドゥージ・タマーシュさんと息子のドゥージ・ベンスさんが造るロゼワインは、エレガントなサーモンピンク色。パパイヤ、ハイビスカスの花、ハーブ、白胡椒のアロマ。レッドグレープフルーツの苦味、ピーチ、パイナップル、チェリーに僅かな白胡椒の味わいがあります。力強い、男性的なロゼは奥深い味わいがあり余韻が長く、程よいスパイス感があります。セニエ方式で造られたロゼワインは残糖度1.7g/ℓと辛口ですが、有機栽培されたブドウの甘味をほんのり感じる飲みやすいワインです。
海外のコンクールでも多くの受賞をしています。カンヌで実施されるロゼワインのコンクール「ル・モンディアル・デュ・ロゼ」で現在までに36のメダルを獲得していることから、ハンガリー国内ではドゥージ・タマーシュさんを「King of Rose」と呼んでいます。

 

 

最後に

ロゼは様々な料理に合せやすい懐の深いワインです。個性がないという方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。昔とは違い、ロゼワインを造る為にブドウを栽培し、各ワイナリーが美味しいロゼを造ろうと努力をしています。世界的にあっさりした料理を好む傾向から、ずっしり重いワインよりも軽やかなワインが好まれる傾向にあります。中華にはロゼを合せれば大きく外れないとよく聞きますが、気軽にワインを楽しむにはロゼが最適なのではないでしょうか?


● ピンクがかった色に癒しの効果がある。
● 写真映えする。
● 料理と合わせやすい、又はワインだけでも軽く楽しめる。
● お財布に優しい美味しいワインがある。そして、しっかりしたワインでも比較的リーズナブルなお値段。


是非、お気に入りのロゼワインを見つけてみて下さい。
そして、今年こそロゼにスポットライトがあたりますように!

 

出典元:France Agri Mer/CIVP; Rose Wines World Tracking:confirmations and new trends!, February 2020